過敏性腸症候群の処方薬『コロネル』の効果と副作用


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コロネルってどんなお薬?

過敏性腸症候群と診断されたことがある方は『コロネル』という錠剤に聞き覚えがあるかと思います。
 
コロネルはいわゆる『消化器官用薬』というもので、一般名称は『ポリカルボフィルカルシウム錠』というものです。

便秘型、下痢型どちらの過敏性腸症候群にも対応する治療薬で、過敏性腸症候群の投薬治療の第一選択薬にもあがっています。

「じゃあコロネルを飲んでいればいつか治るんだ!」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は長期的に使用する薬剤には向いていません。

それは薬が持つ効果、使い続けることで副作用が発生するからです。
今回はコロネルの効果(ベネフィット)、副作用(リスク)についての情報をお伝えしていきます。

コロネルは過敏性腸症候群の効果

 コロネル錠は腸の中で水分を吸収・膨潤することでゲル状に変化し、腸内の蠕動運動をスムーズにして内容物の排泄をサポートしたり、水分過多となった下痢を抑えたり、腸内環境の不調をコントロールするお薬です。

先述の通り、下痢にも便秘にも対応できる過敏性腸症候群の症状を改善するために処方されることが多いですね。 

錠剤であるため半分に割って服用したり、小分けにして持ち運びしやすいのも特徴でしょう。
こうした消化器症状の改善の一助となってくれるお薬ですが、実は対処療法のためのお薬なんです。

過敏性腸症候群の原因は主に仕事や人間関係などから受ける慢性的なストレスだからです。

症状を一時的に抑えることが出来ても、原因となるストレスを発散したり、ストレス環境を改善する方法を取り入れなければ過敏性腸症候群の根本的な治療にはなりません…。

あくまでコロネルはお腹の異常を抑える薬であり、過敏性腸症候群を完治させる効果はありません。
コロネルの服用期間も2週間とかなり短いです。

もし長期間、使い続けることでこんなリスクが出てしまうことも…?

使い続けることで副作用は出てくる

 コロネルは前項でも記述した通り、一時的に症状を抑える薬です。

長期間使用していると薬に対して体が耐性を持ち始めてしまい、薬効が薄まってしまうことがあります。
そのため、薬を使い続けても下痢や便秘、腹痛などが出てしまう場合も出てきてしまうのです。
 
さらにお腹の張った感覚(膨満感)や腔内が渇く(口喝)、吐き気や嘔吐など消化器官に影響が出てきます。

また、カルシウムを多く含んでいるため、カルシウム剤やビタミンD製剤などと併用してしまうと、カルシウム過多になる恐れがあります。
胃腸薬などの一部の薬の吸収もコロネルが阻害してしまい、効き目を落としてしまう可能性もあるため、飲み合わせにも要注意です。

 発疹やかゆみ、むくみなど、服用した際にアレルギー症状が出ることも確認されています。

副作用以外にも、こんな方にはコロネルの使用には注意して頂きたいです。

腎疾患や腹部疾患を悪化させてしまう場合がある

 コロネルはカルシウムを多く含んでいます。

その為、一時的に体内のカルシウムが増えるため、骨粗しょう症治療薬であるビタミンD製剤と一緒に服用すると高カルシウム血症や腎結石(尿路結石)が出来やすくなってしまいます。

腎臓から生成される尿は体内の水分や老廃物など、不要物を体外に排出する役割を持っています。

過剰なカルシウム分も尿を通して排出しようと、腎臓に集められていくため、カルシウムの吸収に使われるビタミンDが腎臓内に留めてしまうのです。

特に腸内で作用するお薬なので、虫垂炎、潰瘍性結腸炎など急性腹部疾患を悪化させてしまう恐れもあります。

腎臓機能が低下している腎不全、腎臓病をお持ちの方も腎臓に負荷がかかりやすくなってしまうため、医師に持病についてご相談されてから処方してもらうようにしてくださいね。

異常が出たら、医師にすぐ相談!

コロネルは1日3回食後に1~2錠、コップ一杯分のお水で服用します。

しかし「前回の食後に飲み忘れたから」といって1度に2回分服用することは絶対に避けてください。

前項でもご説明した通り、カルシウムを大量に含んでいるお薬なので、過剰摂取してしまうと腎結石が発生してしまう恐れがあります。

飲み忘れてしまった場合は、気付いたときに服用するか、前回分を飛ばして決められた量を服用するようにしてください。
服用方法を誤ると危険ですので、以下のような状況になったら必ず医師に相談しましょう。

  • 体に異常が出始めた
  • 誤って多く飲んでしまった
  • アレルギー症状(かゆみ、発疹、むくみなど)が出た
  • 薬が効きづらくなってきた
  • 服用から2週間経過した
  • 妊娠した(授乳中である)

術後イレウスなど胃腸閉塞が起きてしまう恐れがある場合も、医師との相談が必要です。
自己判断でお薬をやめてしまうのも危険ですので、かならず医師の判断に従って服用するようにしてください。

まとめ

過敏性腸症候群に役立つコロネル錠は症状を抑えるために有効なお薬です。
抗うつ薬や、睡眠導入剤のように神経伝達物質に働きかけるお薬よりも、腸内環境をコントロールしてくれるお薬なので、眠気などの目立ったリスクがないことは最大のメリットでしょう。

しかし、同じ薬であるため副作用は出てきてしまいます。
効果を最大限に引き出すためにも、薬を服用する患者さんの理解と協力が必要です。

そして一番大切なことは、コロネルに頼らなくて済む状態を作ることにあります。
 
『なにが自分のストレスになっているのか?』

思い当たる原因を書きだしたり、少しずつストレス環境を改善させたり、気分転換を行うこともストレス発散に繋がるでしょう。

部屋にこもっている時間が多いなら、植物園や公園など自然が感じられる場所に行くのも良いですし、散歩や朝の通勤は一駅あるくなど軽く汗を流すのも気分をリフレッシュするには最適です。

静かな場所で過ごしたい、という方は図書館に行ってみるのもいいかもしれませんね。

ストレス社会と言われる現代だからこそ、ストレスと上手く付き合っていく方法を模索することはとても大切なことです。

コロネルが必要になったときは『気分のリフレッシュが必要なんだ』と気軽に考えて、自分の心のケアもしてくださいね。


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